密輸 イタリア産のチーズ
今日、ホームステイ先のご夫婦と見ていたニュースは、
空港で密輸をして捕まった人の話題でした。
この密輸のニュースを見てイタリア出身の奥様、
私はイタリアに帰ってチーズをたくさん買ってカナダに密輸したいわ。
と言っていました。
時々パスタもイタリア産をわざわざバンクーバーまで買いに行っています。
今60歳の奥様。カナダにきて50年だそうですが、故郷の味は忘れないようです。
チーズを密輸したい。
面白い考えです。
私がどうしても日本から密輸したいもの。
考えましたがすぐには浮かびませんでした。
日本の商品は食べ物なら日系のスーパーにちょっとお高めにですがありますし、
お刺身は食べたいですが、なまものは密輸できません。
食べ物以外だとそこまでカナダにない、と思うものがありません。
もっとカナダの普通のスーパーでも手軽に買えたらな、と思うものはたくさんありますが、密輸したくなるほどのものとなると....?
日本にあって、違法とわかっていても、どうしても日本から持ってきたいもの....。
日本の方がずっと価格安いものもなら密輸してまで持ってきたいもの、となるかもしれません。それでもこれだ!と思えるものがありませんでした。故郷の味が恋しくなるには日本を離れて半年では、まだちょっと時間が足りません。
奥様はきっとイタリアのチーズがとても美味しくて、
そしてカナダのものはイタリアの味と違うと感じるのだと思います。
「今の私にとって母国はカナダよ」と奥様はその後言っていましたが、故郷の味って何年経っても忘れないんですね。
なんだか素敵です。
密輸したいな、と気軽に違法なことを言いましたが、
密輸はもちろんいけません。考えるだけです。
考えるだけの空想でこうなればな、と思うことはたくさんあります。
例えば、もっとカナダと日本が近ければなぁ、とか
家族と一緒に過ごせないなら飼っている猫だけでも連れて来れないかなぁ、とか
時差がなくなればなぁ、とか思うことはたくさんあります。
頭の中だけの考えです。こうなればな、と。
これは私が不便に、そしてちょっとした不満を感じているからということになります。
世の中の便利って始まりは誰かの不便や不満の解消だと思います。
歩くのでは時間がかかるから自転車が生まれ、自転車でも遅いから車が生まれ...。
きっと後何年か経ったら、私が今不便に感じていることはきっと解消されているのだと思います。時差は無理かな?でも何か別のアプローチで時差すら解消されるかもしれません。
私は全く現金払いに不便を感じていませんでしたが、キャッシュレス化が始まり、そして使ってみると現金払いよりスムーズだったりとメリットがありました。
でもこれもきっと、どなたか、もしくはどこかの不満が始まりなんだと思います。
不満や不便を感じることはアイディアです。
何年か前の人は、海外で暮らす家族との電話がなかなかできなかったけれど、今の私は気軽に、しかも無料で遠く離れた家族と電話することができます。
進化ってすごいです。
不便に感じることはマイナスばかりではなく、未来へのプラスです。どんどん不満を感じていけば、どんどん解消されていきます。人の欲望は無限ですから。
イタリア産のチーズがカナダでももっと手軽に手に入る時代だってきっと訪れる日が来る。私はそう願います。