カナダの入院についての考え方
ホームステイ先のご主人がヒザの手術をしました。
完治までに6か月を見込んでいる大きな手術です。以前から手術が近いことは聞いていましたが、いざ当日になると私まで緊張してしまいました。
普段の様子を見ていては日常生活にさほど支障がないように思っていたのですが、
本当はとっても痛かったようです。
ご主人は緊張より楽しみだと言っていました。
私がお世話になっているご夫婦は定年退職されていますが、
完全にお仕事から離れているのは奥様だけです。
ご主人は2年間ヒザの治療に専念し、
回復の後、週に何日かお仕事に戻られ、その後完全に退職される予定と聞きました。日本の再雇用制度はこんな感じなのでしようか。
2年間のお休みの後また戻れる環境なのは、仕事がしたい方にはとってもいいですよね。
カナダの自由なワークスタイルを感じました。
入院が必要と聞いていたため、しばらくかかるのかと思っていたら、
2日後お家に戻ってきました。
家庭用の簡易的な歩行器を使って今は歩いています。一歩一歩、まずは歩行器を前に、その次にゆっくり足を動かしています。
カナダの病院はできるだけ早く退院させ、患者さんを家に戻すのが一般的と聞きました。
本当は後2日は入院の予定だったそうですが、
手術も終わって足以外元気なのに病院にいてもつまらない、との理由で退院を希望したそうです。
ご主人の気力と体力を感じ、少しほっとしました。
日本でヒザ関節の手術をしたら、もう少し自分で歩けるようになるまで退院させてはもらえないように思うのですが、こちらでは違うようです。
熱が上がり、痛みで夜は何度も目が覚めているようです。うなされている時もあります。
夕ごはんの時にいつもより会話がとても少なかったこと、ご主人に次の日謝られてしまいました。そんなこと気にしなくてもいいのに.... 痛そうなのは見ていればわかります。
退院できたこと、私はとても嬉しいのですが、
もう少し病院でのケアが必要だったかもしれません。
今ご主人は奥様のことを時々ナースと呼んでいます。
「ヘイ、ナース!! そこの上着とってくれ!」こんな感じです。
早めの退院はご家族の支え必要ですね。
出産もすぐに帰宅するのは同じだそうです。
娘さんや、息子さんの奥さんが出産した時はその日のうちに自宅に戻られたそうです。
次の日に看護師さんなのか、医療関係の方が診察に自宅まで来るそうです。
治療は同じかもしれませんが、入院に関しては日本ととても違います。
出産は日本のシステムの方が母体に安全な気持ちがしますが、
病院にいるより家に戻り家族と一緒にいたい気持ちが大きいようにお話を聞いていて思いました。
それと、すぐに自分の生活に戻ることは健康的と考えているようです。私の感覚では治療をした後は少しずつ今までの生活に戻す方が良いように思うのですが、少し感覚が違うようです。
育ってきた国によって、感覚も変わるのでしょうか。
どちらが良いのかはわかりませんが、その国にいる以上その国の感覚は知っておかないといけません。
少しずつカナダの感覚を身につけています。
ここまで読んでいただきありがとうございます。