怒られて可哀想 と 経済学入門「理性のある人間」
カナダ生活
ホームステイ先のご夫婦は少しだけ亭主関白です。
お二人は定年退職されていますが、以前は共働きだったそうです。
お仕事をされている時、どちらが先に帰っても夕ごはんは奥様が作っていたそうで、
「旦那は何もできないのよ。だから息子はちゃんと育てたわ。
息子夫婦は先に帰った方が夕食を作るのよ。私は息子がとても誇らしいわ。
もう旦那変えたい!」と奥様。
横にいたご主人は肩身が狭いかと思いきや大笑いしていました。とても仲のいいご夫婦なんです。毎日笑顔でとっても楽しそう。
ご主人も家事を全くしないわけではありません。
お掃除もお洗濯も奥様のお手伝いしていますし、食後のお皿洗いはご主人が毎晩しています。
私の実家でも父がお皿洗い担当です。
ガチャガチャ音を立てながら洗うので、よく母に「もっと静かにお皿洗いできないの?」と言われていたことを思い出していました。
少し前から私も何かお手伝いがしたくなり、夕食の後はご主人が洗ったお皿を拭く担当しています。
ある時 ご主人がお皿洗いしていると「もっと静かにお皿洗いできないの?」と奥様に怒られてしまいました。
日本にいる父と全く同じ状況に思わず笑ってしまいました。
旦那さんのお皿洗い、なんで静かにできないのかとお悩みの奥様がいらっしゃったら、国境を越えたカナダでも同じ状況です、とご報告します。どうか勘弁してあげてください。
経済学の授業もまとめてみました。
今日は理性について経済学の視点から考えます。
経済学入門
14章 理性のある人間
一般の人にとって理性のある人とはどんな人か
- 感情的にならない
- 計算高い
- 論理的である
- 分別がある
経済学者が考える理性のある人はどんな人か
- 利益と損失を比較する
- 利益を追い求める
- 最大限の活用を考える
一般の人が考える理性のある人間なら罪は犯さない。
しかし、経済学的な理性を持った人間は利益と損失を考え、利益が上回れば罪を犯す。
経済学的理性のある泥棒
【見込まれる利益の計算】
犯罪成功率 × 奪えるお金
【予想される損失の計算】
捕まる確率 ×( ”I ” + 罰金 )+ 罪を犯す苦痛
( I:犯罪が原因で拘束される期間に本来なら見込まれる収入 )
例えば犯そうとしている犯罪が
利益;犯罪成功率 80% × 奪えるお金 700,000円 = 560,000円
損失;捕まる確率 40% ×( 500,000+50,000 )+ 苦痛 200,000 = 420,000円
なら、理性のある泥棒は利益が損失を上回っているので罪を犯す。
もし犯罪成功率が下がれば、利益も下がる。
もし罪を犯す苦痛が大きくなれば損失も大きくなり、罪は犯さない。
もし景気が悪くなれば ”I” : 見込まれる収入が減り、損失も少なくなる。
不景気の時に犯罪が増えるのは、犯罪をする利益が損失を上回るから。
経済学者の考える理性のある人は罪を犯さない人ではなく、
利益と損失を考える人。